內容介紹
新作が書けぬ小説家?下村に屆いた舊友春男の近況。長く疎遠だった春男は、三十を過ぎうつ病を発症したという。青春の華やぎを一切拒絶して引きこもる息子を案じ、両親の相談を受けた下村は、筆の進まぬ窮狀を脫する好機と、ある不穏な「実験」を思いつくが…。潮風と砂が吹きつける海峽の町で、孤獨且つ平和という泥濘であがく人々の精神の危機を冷徹にえぐる表題作ほか2篇。作者介紹
田中 慎彌 (タナカ シンヤ)1972(昭和47)年山口県生れ。山口県立下関中央工業高校卒業。2005(平成17)年「冷たい水の羊」で新潮新人賞受賞。’08年「蛹」で川端康成文學賞を最年少で受賞、同年に「蛹」を収録した作品集『切れた鎖』で三島由紀夫賞、’12年「共喰い」で芥川賞受賞(本データはこの書籍が刊行された當時に掲載されていたものです)