內容介紹
中國史において五代十國時代は、一般に分裂?混亂期とされてきた。しかし本當に単なる無秩序?不條理の時代であったのか。各國間の均衡を保つ、何らかの秩序が存在していたとは考えられないか。本書は、當該期に働く國際的な秩序構造に目をむける。第一部「天下のうち」篇では「平王」などの爵位や藩鎮制、國書の検討から「中國」―諸國間の支配関係を考察し、第二部「天下のそと」篇では中國の権力構造に含み込まれつつも、海上に新たな國際秩序をつくろうとした呉越國に焦點をあてて論じる。既成の史観をはなれ、五代十國時代における「國家」の構造を明らかにする意欲作。作者介紹
山崎 覚士1973年大阪府生。大阪市立大學大學院文學研究科後期博士課程単位取得退學。博士(文學)。佛教大學歴史學部歴史學科準教授
作品目錄
五代政治史研究の成果と課題第1部 天下のうち篇(五代の「中國」と平王
五代「中國」の道制—後唐朝を中心に
呉越國王と「真王」概念—五代天下の形成、其の一
五代における「中國」と諸國の関係—五代天下の形成、其の二)
第2部 天下のそと篇(九世紀における東アジア海域と海商—徐公直と徐公祐
唐末杭州における都市勢力の形成と地域編成
未完の海上國家—呉越國の試み
港灣都市、杭州—五代における都市、地域、海域)
五代天下のうちとそとの形成