妖界領航員

ルナを守るため、妖界からやってきた妖怪。 貓姿のスネリは、梨子にとてもかわいがられていた。 ルナを守るため、妖界からやってきた妖怪。

概要

岩崎書店から、IIも並せ全11巻刊行。2007年9月に続編の『妖界ナビ・ルナII』がスタートした。琴月綾がイラストを手がけていたが、IIからはイラスト擔當が戸部淑に変更されている。1は愛蔵版も出版されている。
講談社の漫畫雑志『なかよし』にも漫畫版が連載されている。詳細は別途後述。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。

あらすじ

竜堂ルナは國小4年生。赤ちゃんの頃、養護施設・星の子學園の前に置き去りにされて以來、ここで育ってきた。春休みのある夜、幼馴染・サエが何者かに連れ去られるという事件が起こる。そしてこの事件により、ルナは自らの出生の秘密と自身に秘められた力、そして使命を知り、妖界ナビゲーターとして旅立ったのだった。

登場人物

竜堂 ルナ(りんどう るな)
陰陽師の父と、妖怪の母の間に生まれた、伝說の子のかたわれ。旅立った當時は國小4年生。赤ちゃんの頃、星の子學園に置き去りにされたとのことだったが、実は都和子先生によって連れてこられた。うなじに第三の目を持ち、それを開眼させる事でうず目になり、驚異的な身體能力などを得る。うず目の力や超聴力などと言った妖怪の力、九字や呪符といった陰陽道の力などを駆使し、人間界に現れた妖怪の邪気を祓い清め、妖界に帰す妖界ナビゲーター。優しく勇気があり、かまちにもっけが傷つけられるまで、怒る事を知らなかった。とても食いしん坊で、一番好きな食べ物はやきそば、二番はお好み焼き。その他にも、いくつか好きな食べ物がある。特技は學食のメニューを當てる事。運動オンチだが、初戀相手の乾太郎に教えてもらってから、泳ぐ事は出來るようになった。幼い頃のニックネームはリュナ。妖怪としての力が目覚めてから、成長がとても遅くなっているが、ルナ本人はまだその事には気づいていない。10巻でスネリともっけと共に妖界へ行った。Ⅱ編からは、狐の妖怪の血が目覚めて、髪が銀髪へと色が変わり、狐の尻尾も生えた。誕生日は1月1日。
スネリ
ルナを守るため、妖界からやってきた妖怪。レンメイに仕えていた。無口で、見た感じはこわそうだけど、じつは人情に厚くてめちゃくちゃ強い男性が好きで、妖界にはキンカと言う名の虎に似た戀人が居る模様。姿を消す、人の一部の記憶を消す、毛に念をこめてとばす、人間に変化するといった、多彩な妖力を持つが、體力はあまり無い。妖怪などのいをかぎつける事も出來る。本來は普通の人には見えない霧の姿で、ふだんは白貓の姿に変化している。人間に変身すると、黒髪黒服でモデルのようにスタイルのいい女性の姿(作中では「イケテルスネリバージョン」と表記されている)になる。人間から貓に戻る際は耳のイヤリングを觸る。貓姿のスネリは、梨子にとてもかわいがられていた。栄養バランスにうるさい。ルナにすすめてはいるが、納豆の匂いは苦手。寒さが苦手。香りのいいフルーツが食べてみたいらしい(るなてぃっく・ルームで語っている)。現在ルナがつけているチョーカーはスネリの一族が代々伝說の子に渡すようにうけついできたもの。旅費を作るため、耳の中に隠し持っていた、お守りのピンク色をしたカラーダイヤモンドを売ったが、その行方を気にしている。モデルはスネコスリ。
もっけ
ルナを守るため、妖界からやってきた妖怪。レンメイに仕えていた。羽根に念をこめてとばす、大きくなる、といった妖力と、超聴力と高い知能を持つ。銳い爪で攻撃する事も出來る。本來は光る影の姿で、ふだんはふくろうの姿に変化している。ルナに生き返らせてもらった後は妖力が強くなり、少年の姿に変化出來るようになった。泳ぎは苦手であったが、こっそり練習し、上手になっている。梨子に想いをよせている。TV番組「トリオでビンゴ」が好き。暑さが苦手。コーヒーが飲んでみたいらしい(これも、るなてぃっく・ルームで語っていた)。ルナが持っていたペンダントのリングにぴったり合うメダルは、もっけが幼い頃からずっと口に入れていたもの。モデルはたたりもっけ。
レンメイ
ルナとタイの母親で、三百年生きた狐の妖怪。妖界では姫だった。特別大きな妖力を持ち、人間界に結界が張られてもなお、妖界と人間界の行き來が出來る唯一の妖怪だった。そのため、時々妹のレンスイ(都和子先生)の様子を見に行っていた。その時ルナの父親と戀に落ち、自らの命と引き換えに、ルナとタイを雙子で生んだ。うず目を持つ。出產と同時に命を落としたため、命日は1月1日。
都和子先生/レンスイ(とわこせんせい)
星の子學園の元・先生。実は銀色の狐の妖怪で、レンメイの妹。つまりルナの叔母に當たる。淒まじい妖力を持つ姉とは反対に、彼女は生まれつき妖力が無かったために、人間界に住む事になるが、それでも妖怪であり、長壽であるため住居と仕事を転々としながら暮らしていた、レンスイがルナ達を生む時のたった1人の理解者で、看護師としてその場に立ち合った。ルナを、自分との関系を伏せ、置き去りにされていたとして星の子學園につれてきた。星の子學園を去った後は行方不明のタイを探していた。誰かの妖力を増幅させることができる。自らの命と引き換えに、毒に侵されたルナを回復させた。

ルナの父

ルナとタイの父親で、陰陽師。彼の祖先は妖怪が人間界へ行けなくなるようにするため、人間界に結界を張った。悠久の玉を使って、ルナとタイの第三の目を封印したが、その際に命を落とした。名前は不明だったが、Ⅱにて竜堂清吾であることが判明する。命日は1月1日。
タイ
ルナと同じ両親から生まれた、伝說の子のかたわれで、ルナの雙子の弟。右手のひらに第三の目を持っており、うず目になれる。ルナとは違うタイプの九字を使う。度々ルナの前に現れる。カザンを使い妖怪の匂いをコントロールしたり、妖怪達に情報を與えたりして、ルナ達に玉を手に入れさせていた。激闘の末にルナに妖界に送られた。赤ちゃんの頃、都和子先生が目を離した隙に、何者かに雇われた男に連れられ、その男と生活をしていた。物心ついた頃に逃げ出し、一度は施設にいたのだが、やはり何者かにより連れ去られた。その後は盜みなどの犯罪行為で食いつないで生きてきた。そんな孤獨で過酷な生活のため、妖力は強くなったが、心は荒み人間不信になった。誕生日は1月1日。最後はすべての元兇である透門沙李によって鷲の姿にされ利用された挙句殺された。都和子先生のことなどを恨んでいたが、最後は全てのことを許し、肉親であるルナに看取られやすらかに息を引き取った。

カザン

タイといつも共にいる、黒い犬の妖怪。毒を飲み、自らの唾液にその毒を染み込ませたため、カザンに噛まれた者は毒に侵されやがて死んでしまう。もっけの攻撃で弱っているところをルナに妖界に送り帰された。見た目はこわいが、実はやさしい心の持ち主。土の玉を持っていた。

漫畫版について

概要にもあるように、講談社の少女漫畫雑志『なかよし』2008年8月號から、この作品の漫畫版が連載されている。作畫は菊田みちよが手がける。
なお、『サファイア リボンの騎士』に続く、「『なかよし』創刊55周年カウントダウン企畫」と銘打たれている。

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