內容介紹
卒論で武家棟梁の政治的限界に気づいて以來大きな政治力を有する荘園領主権門の分析に傾倒してきた著者が15年の研究成果を纏め、権門としての摂関家の特質に注目した新たな平安政治史を提示する。さらに平氏政権をとりあげ、諸権門の相剋?対立、職能分離した権門の鼎立に至る過程に迫る。作品目錄
序論 院政期政治史研究の課題 一 院政期研究の進展
二 院政期政治史研究の課題
1 院政の成立と展開
第一章 三條朝の藤原道長
一 ミウチ政治の構造
二 天皇と道長の軋轢
三 三條天皇の退位
第二章 摂関政治の衰退
一 政治構造の変化
二 貴族社會の変容
三 院政の成立
第三章 治天の君の成立
一 院の権威
二 院の政務
三 院政の基本的性格
第四章 院の専制と近臣-信西の出現-
一 院近臣の特質
二 近臣と奏事
三 信西の台頭
四 信西と平治の亂
[付論](1) 院政期における大國受領-播磨守と伊予守-
一 國の等級制
二 四位上〓*1の任國
三 播磨?伊予守の変容
2 院政期における摂関家
第五章 摂関家家政機関の拡充
一 摂関家家政機関の確立
二 政所と諸用途調進
三 侍所の機能
第六章 摂関家における私的制裁
一 検非違使と主従関係
二 従者に対する拘禁廄拘を中心に-
三 忠実?頼長による私的制裁
第七章 院政期興福寺考
一 興福寺強訴の特質
二 院政の成立と興福寺
三 鳥羽院政と興福寺
3 平氏政権と內亂
第八章 院政期政治構造の展開-保元?平治の亂-
一 院政の確立と摂関家
二 保元の亂
三 平治の亂
第九章 後白河院と平氏
一 清盛の台頭
二 後白河院政と清盛
三 平氏政権の成立と展開
四 平氏の沒落
[付論](2) 「福原遷都」考
一 福原遷都
二 遷都論の展開
三 遷都の背景
第十章 平氏政権の崩壊-治承?壽永の內亂の史的意義-
一 內亂の勃発
二 平氏軍制の矛盾
三 內亂の史的意義
結語