內容介紹
名譽の剣士を數多く輩出した一族に生まれ、若年にして天下に名高い香取神道流、神武以來の伝統を誇る鹿島古流の卓抜な兵法を會得した天才剣士?塚原卜伝。卜伝は、永正二年(1505)を皮切りに、生涯で三度にわたって諸國遍歴による武者修行の旅をする。
それはひとえに、他流試合に勝利し続けることで、全國に香取神道流の剣名を知らしめるためであった。
卜伝の前に立ちはだかる正道?邪道の難敵たち――突如、鎖分銅が飛び出す伊賀者特有の「振り杖」を振るう円珍、
柄の両端に刃を有する薙刀を風車のごとく廻す南永、陰の流の奧義を極め、歴戦不敗を誇る愛洲常通……。
不惜身命の不動心を求める卜伝は、他流派の猛者と実戦を重ねながら生涯無敗を貫き通し、
ついに「一つの太刀」と呼ばれる一撃必殺の神技を我がものとする。
一人の若侍が「天下無雙の剣聖」と謳われるまでの名勝負の數々を迫真の筆致で描き、謎多き塚原ト伝の実像に迫る力作剣豪小説。