內容介紹
和辻哲郎(1889-1960)は明治以後の日本において最も包括的な哲學體系を築きあげた.そのテクストを日本政治思想史研究者が同時代の言説狀況の文脈のなかで丁寧に読みなおし,〈人間と政治〉の問題を和辻がどのように考えてきたかを,その矛盾や欠落もふくめて検証する.付録として全集未収録の和辻の論考を併載.作者介紹
苅部 直(かるべ ただし)1965年東京生まれ.1994年東京大學大學院法學政治學研究科博士課程修了,博士(法學).東京大學教授(大學院法學政治學研究科?法學部).日本政治思想史.著書に,『丸山眞男――リベラリストの肖像』(岩波新書),『移りゆく「教養」』(NTT出版),『鏡のなかの薄明』(幻戱書房)がある.
作品目錄
まえがき凡例
序 章 「土下座」をめぐって
第一章 生命?人格?象徴
1 〈光〉の原風景
2 「煩悶」青年の精神世界――世紀末文化と演劇體験
3 「Formの神秘」――象徴主義?人格主義?教養王義
第二章 古代日本とデモクラシーの発見
1 古代日本との出會い
2 デモクラシーの再現――民本主義論
3 「文明」を超えて
第三章 倫理學と政治
1 倫理學體系の形成
(1)「人格より人間へ」
(2)見いだされた〈日本〉
(3)「人間の學」と時代情勢
2 和辻倫理學の構造
3 戦時體制と「思慮の政治」
終 章 光と闇
注
付録資料
家庭の私事 和辻哲郎
『東京帝國大學學術大観』文學部第十一章「倫理學科」 和辻哲郎
金子武蔵
斎藤勇先生追慕 堀 豊彥
岩波現代文庫版あとがき
和辻哲郎略年譜